ピルの服用中に生理がこないのはなぜ?原因を知って正しい対処を

ピルの服用中は、休薬期間(薬を飲まない期間)になると生理がきたり、消退出血と呼ばれる出血が起こったりします。
生理がこないのは心身のトラブルや服用方法の誤りなどが原因である可能性があります。
避妊をしていても妊娠の可能性はわずかながらあるため、万が一の際に適切に対応できるよう、生理がこなかった場合の適切な対応について確認しておくことが大切です。
この記事では、ピルの服用中に生理がこない原因や対処法について解説します。
現在1回目の休薬期間中で生理が起こらず心配な方や、これからピルの使用を考えている方は参考にしてください。
ピル服用中の生理はいつくる?

ピルのタイプごとの生理がくるタイミングについて解説します。
21錠タイプの場合
21錠タイプのピルを服用している場合、1シートに含まれる21錠すべてを飲んだ後、2〜4日以内に生理がきます。
ピルは1日1錠で21日間の服用と、7日間の休薬期間で1回のサイクルが定められていて、合計28日間で次のシートへと移行します。
基本的に生理がくるのは、この7日間の休薬期間中です。
通常の生理と同様に出血が見られますが、排卵は起こらないため、避妊効果は継続します。
28錠タイプの場合
28錠タイプのピルを服用している場合も21錠タイプのケースと同様に、21錠飲んで服用をやめた2〜4日後に生理がきます。
21錠タイプとの違いは、休薬期間中も錠剤を飲む点です。
28錠タイプのシートには、ホルモンが含まれている21錠の実薬と、有効成分が含まれていない7錠の偽薬が包装されています。
28錠タイプは休薬期間中も偽薬を飲み続けるため、飲み忘れの防止やピルの服用を習慣化する点で有効です。
21錠タイプと28錠タイプで生理がくるタイミングは同じですが、28錠タイプの場合は錠剤を飲んでいても生理がくることになるため注意が必要です。
消退出血と生理の違い
ピルの服用中にみられる出血には消退出血と生理の2通りがあり、どちらも子宮内膜が剥がれ落ちることで生じます。
生理はホルモンの自然な働きによるものであるのに対し、消退出血はピルの影響で人工的に引き起こされる出血です。
低用量ピルの消退出血と生理はいずれも休薬期間中に起こるため、生理が2回きたように感じるケースもあります。
ただし、経血と比較すると消退出血は量が少なく、短期間で出血が終了する特徴があります。
消退出血や生理によって避妊の成功が確認できるため、出血がない場合は妊娠していないかの確認が必要です。
ピルの休薬期間に生理がこない原因

ピルの休薬期間4日目以降になっても生理がこない原因には、主に以下の5つが考えられます。
- 妊娠している
- ピルの服用方法を誤っている
- 子宮内膜が薄くなっている
- 強いストレスを感じている
- 子宮や卵巣に疾患がある
それぞれの原因について解説します。
妊娠している
ピルは高い避妊効果が期待できる経口避妊薬として知られていますが、100%避妊できるわけではないため、服用を続けていても妊娠する可能性があります。
以下のような症状がみられる場合は、妊娠を疑いましょう。
- 持続する微熱
- 乳房の張りや痛み
- つわりのような症状(眠気・吐き気・倦怠感)
- おりものの増加
- 食欲の増加・低下
- めまいや立ちくらみ
- 精神症状(不安・イライラ・気分の落ち込み)
- トイレの回数が増える
妊娠した場合、胎児を育てるベッドの役割を果たす子宮内膜が排出されないため、生理や消退出血が起こらない可能性が高いです。(まれに着床出血と呼ばれる出血がみられる場合があります)
休薬期間になっても出血がなかったり、妊娠初期のような症状が見られたりした場合は、妊娠しているか確認する必要があります。
ピルの服用方法を誤っている
ピルの服用方法に誤りがあると、生理がこなくなる可能性があります。
ピルは、21日間規則正しく飲み続け7日間の休薬期間を忘れずに設けるサイクルによって、より高い効果が期待できる薬です。
休薬期間も実薬の服用を続けたり、日数を誤ったりすると、生理がこなくなるだけでなく、避妊効果にも影響する恐れがあります。
またピルを服用したあとに下痢や嘔吐をした場合や、他の薬との飲み合わせが悪いなどの理由で十分な効果が得られないケースもあります。
これらのケースや飲み忘れが続くと避妊効果が薄れ、妊娠することで生理がこなくなる可能性が高まるため、アラームやピルの服用を管理できるアプリなどを活用して飲み忘れを防ぐ工夫が大切です。
飲み忘れは状況によって対処法が異なりますが、いずれの場合も避妊効果が薄くなっている可能性があるため、必要に応じてコンドームやアフターピルなどによる対処を検討しましょう。
子宮内膜が薄くなっている
ピルの作用で子宮内膜が薄くなると、消退出血や生理が起こらない場合があります。
ピルは排卵を止め、子宮内膜の増殖を抑制して受精卵の着床を防止するため、子宮内膜が薄くなることで出血量が減少します。
特に、経血量がもともと少ない方や、ピルの服用を長期間続けている方の場合は出血が起こらなくなりやすいです。
ただし、休薬期間のたびに生理がこない場合は妊娠の可能性があるため、妊娠検査薬や婦人科の受診によって確認することをおすすめします。
強いストレスを感じている
心身に強いストレスがかかると、ホルモンバランスが乱れて生理がこなくなる可能性があります。
特に、以下の出来事はストレスの原因になるため、心当たりがないか確認してみましょう。
- 学校や仕事でプレッシャーを感じている
- 寝不足が続いている
- 食生活が乱れている
- 強い不安や緊張を感じている
- 急激なダイエットをした
強いストレスは、ピルの有無に関わらず生理に影響を及ぼす可能性があるため、心身のケアが大切です。
ただし、ストレスで必ずしも生理がこなくなるわけではないため、何ヶ月も生理が起こらない場合は婦人科の受診を検討しましょう。
子宮や卵巣に疾患がある
生理がこない場合、子宮や卵巣などの器質的な異常が原因の可能性があります。
例えば、子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの疾患があると生理が遅れる場合があるため、ピルを服用していても定期的な検査が必要です。
不正出血や強い腹痛のほか、生理が2周期以上こないなどのケースでは早めに婦人科を受診しましょう。
ピルの服用をやめると生理はどうなる?

ピルの服用をやめると、多くの場合は3ヶ月以内に自然な生理に戻ります。
ピルを飲んでいる間は排卵が抑制されているため、卵巣が休んでいる状態ですが、服用をやめると再び働き始め、ホルモン分泌が再開します。
場合によっては服用をやめてもすぐにホルモンバランスがもとの状態に戻らず、再び生理周期が乱れたり、一時的に生理が止まったりするケースもあるでしょう。
ストレスや急激な体重変化による生理周期の変化は、ピルを服用していなくても起こる可能性があるため、生理の再開タイミングには個人差があるといえます。
また、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)、肌荒れなどに悩んでいた方は再び同じ状況になる恐れがあるため、症状がひどい場合は医師に相談しましょう。
さらに、自己判断でピルをやめると望まぬ妊娠につながるリスクがあります。
医師に相談したうえでやめるほか、妊娠を希望しない場合はコンドームやアフターピルなどの避妊方法を選択したり、通常の生理に戻らなければ婦人科を受診したりする対処が必要です。
ピルの休薬期間に生理がこない場合に必要な対応

ピルの休薬期間に生理がこない場合の対応は、主に以下の3つです。
- 妊娠検査薬を使用する
- ピルの服用を継続する
- 婦人科を受診する
それぞれ詳しく解説します。
妊娠検査薬を使用する
生理がこない場合は妊娠している可能性があるため、最後の生理からその時点までの期間に性行為があれば、妊娠検査薬を使用して確認しましょう。
ただし、以下のケースでは妊娠検査薬の結果が正しく出ない場合があります。
- 使用時期が早かった
- 受精卵の着床が不完全だった
- 検査前に水分を大量に摂取した
また、出血があっても量が少ない場合は、受精卵が着床する子宮内膜の血管を傷つけることで起こる着床出血である可能性があります。
消退出血と着床出血は似ているため、妊娠しているかの判別が難しいです。
ピルが胎児に悪影響を及ぼす可能性はほとんどないとされていますが、妊娠が発覚した場合はすぐに服用を中止し、婦人科を受診してください。
ピルの服用を継続する
正しい方法で妊娠検査薬を使用して結果が陰性だった場合は、ピルの服用を継続しても問題ありません。
生理が起こらないのが1回のみで特に異常がない場合、2回目には普通に生理がくる可能性もあります。
ただし、コンドームなしの性行為やピルの飲み忘れが重なった場合は妊娠のリスクが高い状態になるため、一度婦人科を受診して生理がこない原因を確認してもらうことをおすすめします。
婦人科を受診する
妊娠検査薬の結果に不安があったり、疾患がないか心配だったりする場合は、婦人科を受診して詳しく調べてもらいましょう。
妊娠検査薬は妊娠の有無を高確率で判別できますが、検査精度は100%ではなく、胎児の状態までは確認できません。
婦人科では、尿検査や超音波(エコー)検査によって、胎嚢(胎児を包む袋)や胎芽(人の形になる前段階の胎児)、心拍など、胎児の詳しい状態を確認することが可能です。
また、検査の結果で妊娠が発覚しても、異常妊娠や流産の可能性もあるため、妊娠検査薬で陽性の場合は必ず婦人科を受診してください。
ピルで生理がこない場合は次のシートに移行するべき?

ピルを服用しているのに生理がこない場合、次のシートにそのまま移行してもいいかは状況によって異なります。
生理がこないのが1周期のみの場合
休薬期間に生理がこなくても、次の周期の休薬期間で生理がきた場合は、予定通り次のシートに移行しましょう。
ピルの服用の仕方が適切であれば、生理がきていなくても避妊が成功している可能性は高いです。
ただし、ピルの服用が必要な21日間の間に飲み忘れが続くと、排卵が起こって休薬期間前に生理がくる場合があります。
生理が早まった場合は服用中のシートを中断し、その時点で新しいシートに移行してください。
2周期以上生理がきていない場合
2周期以上生理がこない場合も次のシートに移行するのが一般的ですが、服用が始まる前に妊娠検査薬を使用することをおすすめします。
妊娠検査薬の結果が陰性の場合でも、念のため婦人科で次のシートを開始していいか確認するとより確実です。
婦人科を受診することで、妊娠や疾患の有無をチェックできるだけではなく、ピルの種類や服用方法を改善して症状の改善が目指せる可能性もあります。
アフターピルを飲んだ後の生理はいつくる?

アフターピルを飲んだ後に生理がくるタイミングは個人差が大きいですが、3日〜1週間以内にくるケースが多く、遅くても妊娠していなければ3週間以内には起こる可能性が高いです。
服用から3週間経過しても出血が起こらない場合は、妊娠検査薬で確認してください。
アフターピルの場合、消退出血は避妊成功のサインだと言われていますが、必ず起こるものではなく、少量の出血は着床出血の可能性もあるため、あくまで判断基準は生理がきたかどうかです。
また、アフターピルの避妊効果は5日間程度しか持続せず、排卵のタイミングと性行為のタイミングが重なると妊娠の可能性が高まります。
アフターピルの連続使用は、ホルモンバランスの乱れによる身体への負担が大きいため、生理がくるまでは性行為を避けることが大切です。
まとめ
ピルの服用中に生理がこない場合、1回だけであれば問題ないケースもありますが、2回以上続く場合は妊娠や疾患の可能性が考えられます。
ピルの休薬期間には消退出血と呼ばれる出血がみられる場合もあり、生理との区別がつかないこともあるため、気になる症状がある場合は早めに婦人科を受診しましょう。
新中野女性クリニックでは、女性が自分の意志で自分の身体を守り、将来の妊娠と出産を理想の形で迎えていただくためのピルの処方や診療を行います。
ピルにはリスクや副作用もあるため、そうした点に関しても専門家の立場から十分な説明を行い、安心して利用できるお手伝いをいたします。
もちろん、避妊以外にも生理不順の改善や疾患の治療など、さまざまなメリットからピルをご希望の方にも処方が可能です。
初めての方もお気軽にご相談ください。



