逆子になる原因は?出産への影響や日常でできる対処法などをわかりやすく紹介

逆子と診断されると、赤ちゃんへの影響や出産方法への不安を感じる方は多いのではないでしょうか。
原因が何なのか、いつ治るのか、このまま治らないのではないかと心配になるのも自然なことです。
逆子とは、医学用語で『骨盤位』と呼ばれ、妊娠中期ごろまでは約30〜50%の赤ちゃんに見られる状態です。
妊娠後期にかけて自然に頭位へ戻ることがほとんどで、臨月まで逆子のままとなるのは全体の3〜5%程度ともいわれています。
この記事では、逆子になる原因と出産への影響、日常のなかでできる対処法を紹介します。
逆子とはどのような状態?まず知っておきたい基礎知識

逆子(骨盤位)は、妊娠中に多くの方が指摘される状態のひとつです。
どのような状態なのかをきちんと知っておくと、健診での説明や超音波検査の結果も理解しやすくなるでしょう。
ここでは、逆子の定義や種類、診断されるタイミングなどの基礎知識を紹介します。
逆子(骨盤位)はどのような状態か
通常、赤ちゃんは妊娠が進むにつれて頭が下を向く『頭位(とうい)』という状態に落ち着くとされています。
一方、逆子とは頭が上にあり、お尻や足が子宮の出口側(骨盤側)に向いている状態のことです。
医学用語では『骨盤位(こつばんい)』と呼ばれ、胎位異常のひとつに分類されます。
逆子状態があるだけで、赤ちゃんの発育に直接問題が生じるわけではありませんが、出産の方法に影響することがあるため、妊娠後期からは注意が必要です。
妊娠中期までは逆子がめずらしくない理由
妊娠中期ごろまでは子宮内のスペースに余裕があり、赤ちゃんは自由に向きを変えながら過ごしています。
そのため、妊娠中期の段階では、約40〜50%の赤ちゃんが逆子の状態にあるともいわれています。
妊娠後期に入ると赤ちゃんの体が大きくなって頭が重くなることから、自然に頭が下向きとなるケースがほとんどです。
妊娠中期に逆子と指摘された場合でも、その後に頭位へ戻ることはめずらしくないため、過度に心配しすぎなくてよいでしょう。
逆子と診断されるタイミング
逆子かどうかは、妊婦健診で行われる超音波検査(エコー検査)によって確認されます。
一般的に、妊娠30〜32週になっても頭が上にある状態が続く場合に、逆子と診断されるケースが多いとされています。
妊娠7ヶ月の健診では逆子だと診断されても、8ヶ月健診で頭位に戻っていれば、大きな問題ありません。
その後も出産日に向けて頭位に戻る可能性はあることから、医師の指示のもとで経過を確認しながら対応を検討していくことになります。
逆子の種類
逆子にはいくつかの種類があり、以下のように赤ちゃんの姿勢によって分類されます。
- 単殿位(たんでんい)
- 複殿位(ふくでんい)
- 足位(そくい)
- 膝位(しつい)
- 横位(おうい)
もっとも多いのが『単殿位』で、お尻が下を向いてV字型の姿勢になっている状態です。逆子全体の約8割を占めています。
そのほかには、あぐらをかいたような姿勢の『複殿位』、足が下を向いている 『足位』、膝が下にある『膝位』、地面に対して背が並行になっている『横位』などがあります。
種類によって分娩方法の判断が異なるため、どの状態かを医師と確認しておくことが重要です。
逆子になる原因とは?

逆子になる原因は、現在でもはっきりとは解明されていないことが多く、複数の要因が関係していると考えられています。
母体側と赤ちゃん側それぞれにさまざまな要因があり、個人差もあります。ここでは、逆子になる理由を紹介します。
子宮の形や大きさ
子宮の形や大きさも、逆子に関わる要因のひとつです。
子宮の形が生まれつき通常と異なる『子宮奇形』がある場合、子宮内の空間が狭くなったり仕切りのような壁ができたりすることで、赤ちゃんの姿勢に影響が出やすくなります。
また、良性の腫瘍である『子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)』がある場合も注意が必要です。
筋腫の大きさや位置によっては子宮内のスペースが狭まり、赤ちゃんが動きにくくなることで、逆子になりやすいと考えられています。
羊水量の異常
羊水の量が通常より多い『羊水過多(ようすいかた)』は、赤ちゃんが子宮内で自由に動きすぎることで姿勢が安定しにくくなり、逆子になりやすい状態です。
また、羊水の量が少ない『羊水過少(ようすいかしょう)』の場合も、赤ちゃんの動きが制限されて位置を変えにくくなることから、これも逆子のリスクになる可能性があります。
このように、羊水量が多すぎても少なすぎても、赤ちゃんの姿勢に影響することがあります。
胎盤の位置
以下のように、胎盤の位置も逆子と関連する要因として挙げられます。
- 低置胎盤(ていちたいばん):胎盤が子宮の出口(子宮口)に向かって低い位置にある
- 前置胎盤(ぜんちたいばん):子宮口を覆うように胎盤が形成されている
通常、胎盤は子宮の上部に位置していますが、『低置胎盤』や『前置胎盤』の場合、赤ちゃんの動きが制限されて頭を下に向けにくくなることから、逆子になりやすいといわれています。
胎盤の位置は超音波検査で確認できるため、健診時に医師から説明を受けるケースも少なくありません。
臍帯の状態
臍帯(さいたい)とはへその緒のことで、その長さや巻きつきの状態が逆子に関係することがあります。
臍帯が赤ちゃんの首や体に巻き付く『臍帯巻絡(さいたいけんらく)』が起きると、動きが制限されて姿勢を変えにくくなると考えられています。
多くの場合、問題なく経過しますが、まれに血流に影響を与える可能性があることも否定できません。
通常より長い臍帯の場合、赤ちゃんが動いた際に絡まりやすいともいわれています。
ただし臍帯巻絡は全分娩の約20〜25%に見られるとされていて、逆子との因果関係についてはまだ十分に解明されていない部分も残っています。
胎児の大きさや発育
双子や三つ子などを妊娠する『多胎妊娠(たたいにんしん)』では、複数の赤ちゃんが子宮内のスペースを共有するため、それぞれが自由に動き回れる余裕が少なくなります。
その結果、姿勢が固定されやすく、逆子になりやすいといわれています。
また、水頭症(すいとうしょう)や無脳症などの胎児の形態異常がある場合も、頭の重さや形が通常と異なることで、逆子になりやすいといえるでしょう。
赤ちゃん自身の発育状態や体の特性も、姿勢の決まり方に影響することがあります。
血流や冷え
体を冷やしたことが直接的な原因になるとは医学的には証明されていませんが、冷えや血流の悪化が逆子の原因になるといわれることがあります。
冷えが子宮の収縮に影響することは指摘されているものの、冷えによって逆子になる根拠は認められていないというのが現在の見解です。
ただし、血行を意識した生活は妊娠中の体調管理において有用と考えられています。
逆子と冷えの関連性については過度に心配せず、気になる場合は担当の医師に相談するとよいでしょう。
逆子のままだとどうなる?出産への影響

逆子のままお産を迎えた場合に何が起こるのか、出産への影響を心配される方も多いのではないでしょうか。
逆子は出産方法の選択に直結するケースがあるため、正しく理解しておくことが安心感につながります。
ここでは、逆子が出産に与える影響を紹介します。
自然分娩が難しくなる可能性がある
逆子のままお産を迎えた場合、医療機関では帝王切開(ていおうせっかい)が選択されるケースが多いです。
通常の分娩では、頭が最初に産道を通ることでその後の体がスムーズに出やすくなりますが、逆子ではお尻や足が先に出るため、最後に出る頭が産道につかえるリスクがあります。
逆子の種類によっては、条件を満たせば経腟分娩(けいちつぶんべん)も可能です。
ただし、頭位の分娩と比べてリスクが高くなることから、日本では多くの医療機関で帝王切開が推奨されています。
分娩時のリスクが高まる可能性がある
逆子のまま経腟分娩を行う場合、いくつかのリスクが高まる可能性があります。
なかでも代表的なのが『臍帯脱出(さいたいだっしゅつ)』で、赤ちゃんよりも先にへその緒が子宮外へ出てしまうことで血流が途絶え、酸素が届きにくくなった状態のことです。
また、逆子では破水が早い時期に起こりやすく、『微弱陣痛(びじゃくじんつう)』といって、陣痛が弱いまま分娩が進まない状態になりやすいとも指摘されています。
昔は逆子でも経腟分娩を行うケースも多かったですが、これらのリスクへの備えとして、多くの施設で帝王切開が選択されているのが現状です。
赤ちゃんに影響が出る可能性がある
逆子のまま経腟分娩となった場合、赤ちゃんに影響が出る可能性も否定できません。
足やお尻が先に産道を通り、最後に頭が出る形になるため、足や腕などの体の一部が産道に引っかかり、酸素が届きにくくなることで新生児仮死が生じるリスクが高まります。
また、腕や鎖骨の骨折、神経の損傷といった分娩時の外傷が起こる可能性もあります。
ただし、帝王切開をあらかじめ計画することで、これらのリスクを大きく減らすことが可能です。
できれば下から出産したいという方もいるかもしれませんが、出産方法については医師と十分に相談しながら判断しましょう。
逆子を治す方法と対処法

逆子と診断されると、自分で改善するにはどうすればよいのか、何か治し方はないのかと気になる方も多いでしょう。
妊娠後期でも自然に頭位へ戻る可能性は少なからずあり、無理のない範囲で取り組める対処法もいくつか知られています。
ここでは、逆子への代表的な対処法とその注意点について紹介します。
逆子体操を行う
逆子体操は、赤ちゃんが自然に回転するのを促す目的で行われる体操です。
代表的な方法は、四つん這いの姿勢から頭と胸を床につけてお尻を高く持ち上げる『胸膝位(きょうしつい)』と、仰向けで腰の下にクッションを入れて骨盤を高くする『ブリッジ法』の2種類です。
ただし、医学的な有効性はまだ十分に実証されていないのが現状です。
また、切迫早産の兆候がある場合や前置胎盤と診断されている場合は控える必要があるため、実施前に担当医への確認が欠かせません。
生活習慣を見直す
寝るときの向きも、逆子への対処として取り上げられることがあります。
赤ちゃんの背中側を上にして横向きに寝る『シムス位』を取ることで、自然な回転を促す可能性があるといわれています。
背中がどちらを向いているかは、健診時に医師に確認するとよいでしょう。
また、子宮の収縮を防ぐためになるべく段差や急な動作を避け、ゆったりとした姿勢を保つことが、妊娠中の体調管理においては有用とされています。
ただし、寝る向きや姿勢の工夫が逆子を直す効果を保証するものではなく、個人差がある点に注意しましょう。
体を温めることを意識する
お腹や下半身を温めると、血行を促進し、子宮周りの筋肉をほぐす効果が期待できるといわれています。
冷えが直接的な逆子の原因になるとは医学的には証明されていませんが、妊娠中の体のコンディション維持という観点では、冷えを避けることには一定の意義があると考えられています。
腹巻の着用や毎日の入浴など、無理のない範囲での温活を日常生活に取り入れることは、妊娠中のセルフケアの一環として参考にできるでしょう。
外回転術を受ける
『外回転術(がいかいてんじゅつ)』とは、医師が妊婦のお腹の外から手を使って赤ちゃんを回転させ、頭位に戻すことを試みる医療処置です。
超音波で赤ちゃんの位置を確認しながら行われる処置で、妊娠34〜36週ごろの実施が推奨されています。
日本赤十字社『骨盤位に対する胎児外回転術を検討中の皆様へ』によると、一般的な成功率は約40%とされています。
ただし、『常位胎盤早期剥離(胎盤が早期にはがれること)』や、胎児心拍の悪化といったリスクも伴う点に注意が必要です。
緊急帝王切開に対応できる医療体制が整った施設でのみ実施可能であり、受けるかどうかは医師とよく相談したうえで判断しましょう。
医師と相談しながら経過をみる
逆子と診断されても、妊娠後期にかけて自然に頭位へ戻るケースは少なくありません。
帝王切開を前日に予定していたところ、直前の超音波検査で頭位に変わっていたという事例もあるようです。
逆子であること自体は、赤ちゃんの成長や発育に直接影響するものではないとされていて、過度に心配する必要はないといわれています。
焦って無理に矯正しようとするより、定期的な妊婦健診で経過を確認しながら、状況に応じて医師と対応を検討していくことが大切です。
まとめ
妊娠中期までの逆子は、特段めずらしくない状態です。原因は複数の要因が絡み合うことが多いとされています。
妊娠後期でも自然に頭位へ戻るケースは少なくなく、逆子体操や外回転術など取り組める対処法も幅広くあります。
不安を感じたときは、まず担当医に相談し、赤ちゃんとママにとってよりよい状況でお産が勧められるようにしましょう。
新中野女性クリニックでは、逆子(骨盤位)と診断された方へのツボによる矯正や安産灸にも対応しています。
どうしても無理な場合もありますが、初産婦の方でも条件が揃えば、経腟分娩についてご相談いただける体制を整えています。
逆子のことでご不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。



