つわりで気持ち悪い・助けてと思ったら|原因や対処法、おすすめの食べ物など紹介

妊娠すると、つわりで泣くほど辛い思いをする妊婦さんが多いとよく聞きますが、どうすればその吐き気を抑えることができるのでしょうか?
実はつわりは、軽減するために自分でできる対策や、治療法もあります。
この記事では、つわりの原因やいつまで続くのか、つわりの種類や治療薬、つわりの時におすすめの食べ物や、自分でできる対策などを紹介します。
日常生活に取り入れられるつわりの乗り切り方を紹介するため、つわりが気持ち悪くて助けてほしい妊婦さんのお役に立てれば幸いです。
つわりとは

つわりは、妊娠すると高い確率で見られる症状ですが、そもそもつわりとは何か、なぜつわりになるのかなどは知らない方も多いのではないでしょうか。
ここではまず、つわりについて詳しく紹介します。
つわりは我慢しないといけないの?放置することによる問題点
つわりが現れると「妊娠した証拠」や「そのうち治まる」などという言葉で片づけられ、とりあえず我慢するものという認識の人が少なくありません。
しかし、つわりは我慢することで、以下のように健康に影響を及ぼす可能性があります。
- 頻繁な嘔吐や、食事・水分摂取の困難による脱水症状
- 重要な栄養素の不足により胎児の発育に影響を与える
- 精神的ストレスの増大
つわりのこれらの症状により、尿のケトン体の陽性や、5%の体重減少を認めるような重症になると『妊娠悪阻』と診断され、治療が必要となります。
これらは、緊急性の高い重大リスクにすぐにつながるというものではありませんが、だからといって限界まで我慢する必要はありません。
妊娠期間は、これから紹介する対処法を参考にして、もっと楽に過ごしましょう。
つわりの原因はGDF15?
つわりの原因はまだ未解明ですが、2023年には『GDF15』というホルモンの関与が示唆された論文が発表されました。
身体へのストレスや異常を知らせるシグナルとして分泌されるホルモンで、生体防御反応の一種です。
妊娠の場合は胎盤から、つまり胎児側から胎児を守るために分泌されると考えられています。
このホルモンの分泌によりつわりのような症状が起こりますが、有害なものを食べないようにするための進化上の戦略であるとする説があります。
このGDF15が普段から少ない人の場合、妊娠により増加することで、吐き気=つわりとなって現れるというのが、現在までの研究で推測されている仕組みです。
またGDF15の他にも、プロゲステロンの増加によって体内にガスが溜まりやすくなり吐き気につながる説や、自律神経の乱れなども以前から唱えられています。
GDF15の説のみではまだつわりの原因は解明されてはいませんが、胎児を守るための母体の反応であるといえるでしょう。
つわりはいつからいつまで?
つわりで妊娠に気付くという話はよく聞きますが、いつから始まりいつまで続くのかについては個人差があります。
一般的には、妊娠5〜6週(妊娠2ヶ月)頃から始まり、妊娠12〜16週(妊娠4〜5ヶ月)頃には自然に治まることが多いとされています。
しかし中には、中期以降も続いたり、一度治まったかと思ったらまたぶり返したりするケースもあります。
また、何の前兆もなく急に終わる人もいれば、徐々に嘔吐の回数が減ったり食べられるようになったりすることで終わりに気づく人もいるなど、終わり方もそれぞれです。
つわりのピークである8〜10週を乗り越えれば楽になることが多いですが、つわりが終わることを意識しすぎず、体調管理を続けましょう。
水分(スポーツドリンクがおすすめ)だけでも摂って欲しいですが、それも飲めず、3日以上何も口にできない状態の場合は、担当医師に必ず相談してください。
つわりの治療薬
つわりは妊娠時の生理現象のため、治療が必ずしも必要ではありませんが、状態によっては以下のような治療薬が処方される場合があります。
- 制吐剤:日本で承認されていない制吐剤は自由診療で処方される
- ビタミンB6剤:繰り返す嘔吐でのビタミンB1の不足によるウェルニッケ脳症の予防
- 漢方薬:小半夏加茯苓湯、半夏厚朴湯などがある
つわりの治療では、以上のような薬の処方の他に、入院や外来での点滴治療などが行われます。
つわりのために食事や水分がとれない場合は、水分やビタミン・糖分などの栄養補給や吐き気止めなどの点滴が行われることもあります。
また、酔い止めや胃腸の不調による吐き気止めの市販薬がありますが、つわりの吐き気に効果はなく、胎児や母体に影響のない薬を医師の判断で処方してもらう必要もあります。
治療で症状が軽減する場合もあるため、担当の医師に相談し、一人ひとりに合わせた治療法を判断してもらいましょう。
つわりでの吐き方
つわりの原因と同様に、吐くと楽になる明確な理由も解明されてはいません。
一説には、胃が空になることで一時的に不快感が軽減する、吐き気のピークと嘔吐が重なることでタイミング的に楽になるなどがあります。
我慢せず嘔吐しても構わないとされていますが、楽になりたいために意図的に吐く行為は避けましょう。
空腹で吐くのは苦しいため、水分の多いものや小さいもの、のどに詰まりにくいものなど、胃に何か吐きやすいものを入れてから吐きましょう。食べてすぐ吐いても構いません。
吐いたあとは、後味が悪く、胃酸による歯へのダメージを防ぐため、忘れずにうがいをし、落ち着いたら一口ずつゆっくりと水分を摂って、脱水を防ぎましょう。
つわりの種類

つわりの症状は嘔吐に代表されますが、嘔吐する・においに過敏になるなど、多く知られている症状の他に、さまざまな種類のつわりがあります。
ここでは、つわりの種類について症状や対処法も合わせて紹介します。
吐きづわり
吐きづわりは「気持ち悪くて吐いてしまう」「吐きはしないけど強烈に気持ちが悪い」などの症状があります。
吐きづわりの場合、空腹の状態になると胃酸が分泌され、さらに気持ちが悪くなるため、胃を空にしないことが重要です。
胎児のための栄養補給ができないことで焦りますが、「吐いてもまた食べればいい」と考えるようにし、無理に食べるのではなく少量ずつ、食べられるものを食べましょう。
嘔吐が続くと脱水症状になる恐れがあるため、水分と塩分の補給を意識するようにして乗り切りましょう。
においづわり
においづわりは、ご飯の炊けるにおいや、お総菜売り場のにおい、タバコなど、防ぎようのない環境のにおいに悩まされるのが特徴です。
料理は温かいとにおいが立ちやすいため、調理を家族に代わってもらったり、冷ましてから食べたりするのが有効です。
外出先では、マスクに自分の好みの香りを少量つけると効果が期待できる場合がありますが、使用できるアロマについては医師に相談しましょう。
また、家の中ではタバコや生ごみ、洗剤、化粧品の香料など、においの刺激から遠ざかる工夫が必要です。
換気扇や空気清浄機をフル活用する、ごみ処理は家族に依頼するなど、状況を理解してもらい協力を仰ぎましょう。
食べづわり
食べづわりは、空腹になると吐き気を感じるため、常に何かを口にしていないとつらいというのが特徴です。
食べ過ぎを防止するため、一度に食べる量を減らし、回数を増やして少しずつ食べるのが効果的です。
小分けの食べ物を用意しておけば、起床時や夜中のトイレ時にもすぐに口にできるため、比較的楽に過ごせるでしょう。
また、炭水化物やお菓子類は血糖値を急上昇させ空腹を感じやすくするため、タンパク質やビタミン・ミネラルなどの栄養素も意識して摂ることが大切です。
よだれづわり
よだれづわりは、大量に分泌される唾液を飲み込めず、吐き気や不快感を引き起こす症状です。
対処法としては、こまめにうがいを行う、ガムを噛んだりタブレットを舐めるなどで嚥下動作を増やすなどがあります。
また、同じ体勢を避けて軽い運動や姿勢の変更などを取り入れると、唾液が溜まるのを軽減するといわれています。
自宅では紙コップなどに溜めておく方法もありますが、外出時では、不透明な袋にキッチンペーパーなど吸水性の良い紙を入れ、そこに吐き出すと目立たず処理が可能です。
周囲の理解が得にくい症状ですが、自分に合った方法を見つけてみてください。
食事でできるつわり対策

食事や食べるものでできるつわり対策について紹介します。
個人差があるため、ここに紹介する以外に、自身に合ったものや方法があるかもしれません。
少しずつさまざまに試してみましょう。
冷たいもの・酸っぱいものを試す
一般的には、脂っこい・香りが強いものを避け、冷たいものや酸っぱいものを選ぶと口にしやすいとされています。
温かい料理は、食材に含まれる微量のアンモニアが気化してにおうことで吐き気を感じるため、冷たい料理のほうが食べやすい場合があります。
また、酸味にはそのアンモニアを中和する働きがあるとされています。
つわり中は好みが激変することがありますが、まずはこうした基本的な工夫から試してみるのがいいでしょう。
生姜の効果に関する研究報告がある
生姜については、つわり軽減に関してビタミンB6と同程度の効果を示したとする研究報告があります。
ビタミンB6は、つわりの際に医療機関でもビタミンB6製剤が処方されるほど、つわりに対して効果があると認められています。
生姜は香りが強めですが、すり下ろして飲み物に入れたり生姜キャンディーを用意したりするなど、身体に取り入れやすい方法で試してみると発見があるかもしれません。
つわりのときにおすすめ・避けたい食べ物や飲み物
つわりのときに食べやすいおすすめの食品と、逆に避けたい食品をまとめました。
| つわりにおすすめの食品 | つわりで避けたい食品 |
|---|---|
| 【炭水化物】おかゆ・パン・うどん・そうめんなど 【果物】みかん・梨・スイカなど水分の多いものイチゴ・リンゴなどほどよい酸味のあるもの 【デザート】ゼリー・プリン・アイスクリームなど 【タンパク質】豆腐・ゆで卵・茶碗蒸し・サラダチキン・ヨーグルトなど | 【脂っこいもの】揚げ物・脂身のある肉・洋菓子など 【香りが強い、クセのあるもの】ニンニク・ネギ・魚の干物・発酵食品など 【刺激物や辛いもの】カレー・キムチ・スパイスが強いもの 【アルコール・カフェイン】緑茶・コーヒー・お酒・ビールなど利尿作用のあるもの 【生もの】刺身、生ハムなど |
料理法としては、揚げ物や極端に味の濃いもの(酸っぱすぎる・塩分が強いなど)は避けるようにしましょう。
吐くことを我慢しなくていいと紹介しましたが、つわりが治まるまでは、葉酸・ビタミンなど必要な栄養素が不足しないよう、サプリメントなどで補うなど工夫しましょう。
身体に優しい食材、調理法を心掛け、弱っている胃腸を刺激しないよう注意することが大切です。
日常で工夫できるつわりの対処法

食事の他にも、日常生活で実施できるつわりの対処法について紹介します。
工夫して乗り越えられるよう、参考にしてください。
胃液を吐く場合はスポーツドリンクを飲む
つわりで胃液を頻繁に吐いてしまう場合や、水分も十分に摂れない場合、スポーツドリンクを少しずつ飲むと、脱水症予防に効果が期待できる場合があります。
もし吐いても必要な電解質を素早く補給できるため、脱水症状を防ぎやすいです。
また、胃液だけを繰り返し吐くと食道も荒れやすいため、胃に何か入れてから吐くためにもスポーツドリンクを用意しておいて、少しずつ飲みましょう。
つわりに効くツボ
つわりは自律神経やホルモンバランスと関係があるとも考えられているため、ツボを押すのも効果があるとされており、リラックス方法のひとつとして取り入れられています。
時間があるときや休んでいるときに、以下のツボ押しを試してみましょう。
内関(ないかん)
内関は手のひらを上に向け、手首の境目の線から指3本分下の位置の中央にあります。
消化器に効くツボといわれ、食欲不振や胃の不快感を改善する効果が期待できるとされています。
反対側の手の親指で少し強めに押してみましょう。
裏内庭(うらないてい)
足の人差し指を足裏側へ折り曲げて、指先が足裏に触れたところにあるツボです。
こちらは手の親指で軽く押しましょう。
こちらも腹痛や嘔吐に効果があるとされています。
足三里
膝のお皿の下から指4本分下がったところの膝の外側、一番くぼんでいる場所にあります。
不調があると痛いと感じるため、優しくほぐしましょう。
まとめ
つわりについて、日常生活で実践できることからクリニックでの治療まで、さまざまな対策を紹介しました。
つわりが起こる原因を理解すると、母体と胎児の頑張りが見えてくるのではないでしょうか?
身体的な原因はもちろんですが、つわりを悪化させる要因には精神的な要素もあります。
病気ではないけれど苦しいということをきちんと理解してもらい、パートナーや家族に協力を得られることが、つわりには一番効果があるのかもしれません。
新中野女性クリニックでは、「赤ちゃんと母体が安全で元気な状態で出産いただくこと」を心掛けております。
つわりは我慢するべきことではありません。
- 何日も何も口にできない
- 1日3回以上の高い頻度で嘔吐する
- 数日の間に体重が5〜10%程減っている
- トイレの回数が減っている
このような場合は我慢せずに、かかりつけ医や当院へご相談ください。



