おしるしとは?色・量・出方の特徴と出産までの過ごし方

おしるしとは、出産前に見られる出血のことで、医学的には『産徴(さんちょう)』と呼ばれる、お産のサインです。
妊娠後期に突然、下着に血がついているのを見て不安になった経験はないでしょうか。「これは正常なの?」「すぐに病院へ行くべき?」と判断に迷う方も少なくありません。
この記事では、おしるしの意味や特徴、そのあとの経過と過ごし方まで紹介します。
あらかじめ正しい知識を持つことで、いざというときも落ち着いて行動できるようになります。
臨月を迎えた妊婦さんだけでなく、妊活中の方も、ぜひ参考にしてみてください。
おしるしとは?出産前に現れる出血のサイン

出産が近づくにつれ、体にはさまざまな変化が現れます。
おしるしもそのひとつで、突然の出血に驚く方も少なくありません。多くの場合は自然な現象ですが、初めてだと判断が難しいのも事実です。
ここでは、おしるしとは何か、なぜ起こるのかを紹介します。
おしるしとは出産前に見られる出血のこと
『おしるし』は、子宮が出産に向けた準備を始めたことを知らせる現象です。
医学用語では『産徴』と表記され、正期産(妊娠37週0日から41週6日)の時期に入ってから現れるケースが一般的です。
出産前にごく少量の出血として見られることが多いですが、必ずしも異常を示すものではありません。
体が出産に向けて動き始めたことを表していて、妊娠後期から臨月にかけて見られます。
初めての妊娠では、「臨月に出血したらどうすればいいの?」「そもそもおしるしってどんなの?」と戸惑う妊婦さんも多いかもしれませんが、事前に知っておくと落ち着いて対処できます。
子宮口が開き始めることで起こる出血
おしるしの主な原因は、子宮口(子宮頸管)が開き始めることです。
出産が近づくと子宮口が少しずつ開大し、卵膜(らんまく:赤ちゃんを包む膜)が子宮壁から少しずつ剥がれていきます。
この剥離の際に小さな血管が破れることで、少量の出血が生じるとされています。
医学的には子宮口が開き始めたことを示す状態であり、異常な出血とは性質が異なるものです。
出産に向けた子宮の変化として現れる正常なプロセスのひとつであるため、心配しすぎる必要はありません。
粘液が混ざった少量の出血として現れる
おしるしは、子宮頸管から分泌される頸管粘液(けいかんねんえき)と出血が混ざり合った状態で現れます。
そのため、さらっとした出血ではなく、粘り気のあるおりもの状になることが多いのが特徴です。
量はわずかで、下着やティッシュに少量つく程度が一般的といわれています。
おりものに血が混じったような見た目で気づくケースが多く、生理の経血とは質感が明らかに異なる点が、見分けるひとつの目安になるでしょう。
おしるしがない場合もある
おしるしは全員に現れるわけではなく、個人差があります。
おしるしがないまま前駆陣痛(ぜんくじんつう:本陣痛の前に起こる不規則な子宮収縮)や陣痛が始まったり、破水したりしてそのまま出産に進む方もいます。
また、おしるしを経験しても自覚がなかったというケースも少なくありません。
おしるしがなかったとしても、それ自体は異常ではなく、出産の進行を妨げるわけでもないとされています。
こうした始まり方の違いは、個人差として受け止めて問題ありません。
おしるしの特徴

おしるしの色や量、出方には個人差があり、人によって見た目が大きく異なるため、「これがおしるし?」と戸惑う方も多いようです。
正常な範囲の目安を事前に知っておくことが、いざというときの落ち着きにつながります。
ここでは、おしるしの色・量・出方それぞれの特徴を紹介します。
おしるしの色
「おしるしは何色が正解?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、ピンク色や茶色、暗赤色などさまざまで、個人差が大きいとされています。
ピンク色は血液が頸管粘液と混ざった状態で現れることが多く、茶色は時間が経過した血液によるものです。
鮮やかな赤色、いわゆる鮮血のような状態で現れるケースもあります。
いずれの色であっても、粘り気のある分泌物と一緒に出てくる点が共通した特徴です。ただし、色だけでなく量や性状もあわせて確認することが、判断の目安になります。
おしるしの色は同じ人でも毎回変わる場合もあるため、色の違いは個人差として受け止めて構いません。
おしるしの量
おしるしの量は、下着にうっすらつく程度から、ティッシュやトイレットペーパーにほんの少し色がつく程度が一般的です。
おりものシートやナプキンに収まる範囲であれば、正常とされています。
ただし、月経2日目を超えるような多量の出血が続く場合は、おしるしとは異なる可能性があるため、かかりつけの医療機関へ連絡してください。
サラサラした鮮血が続く場合も、同様の確認が必要です。
量は少量でも繰り返し出るケースや、一度きりで終わるケースもあり、個人差が大きいことを理解しておきましょう。
おしるしの出方・現れ方
おしるしは一度だけ出て終わる場合もあれば、複数回に分けて現れたり、2〜3日にわたって続いたりすることもあります。
量はわずかで長くは続かないことが多い一方、数日間続いたとしても異常ではないとされています。
さらっとした出血ではなく粘り気がある点がおしるしの出方の特徴とされているため、水っぽいと感じた場合は破水との区別が必要です。
また、少量ならおしるしの可能性もありますが、大きな血の塊が出る場合や、出血量が増えていく場合、強い腹痛を伴う場合は、速やかに産院へ連絡を取ってください。
おしるしのあとに起こる変化と経過

おしるしのあとの経過は個人差が非常に大きく、当日中に陣痛が来る方もいれば、出産までにしばらく日数がかかる方もいます。
ただし、臨月の出血にはおしるし以外の原因が潜んでいる場合もあるため、変化を冷静に観察することが重要です。
ここでは、おしるし後の経過と注意すべきサインを紹介します。
おしるしから陣痛までの時間
上述の通り、おしるしから陣痛が始まるまでの時間は、人によって大きく異なります。これは、初産婦でも経産婦でも変わりありません。
一般的に、当日から数日以内に陣痛が始まるケースが多いとされていますが、1週間以上たっても陣痛がこないという方もいます。
おしるしが現れたからといって、すぐに入院が必要な状況というわけではない点に注意が必要です。
数字にとらわれすぎず、「いつ陣痛が来てもおかしくない」という気持ちで準備を整えながら過ごすことが、心の落ち着きにつながります。
おしるしから出産までの流れ
お産の流れは、人によってさまざまなパターンがあります。
おしるしのあと不規則なお腹の張りが現れる前駆陣痛を経て、規則的な本陣痛へと移行するのが一般的なパターンです。
ただし、この順序は人によって大きく異なります。
おしるしがないまま陣痛が来る方や、破水が先に起こる方もいるため、どのパターンになっても対応できる心構えが大切です。
出産の流れを事前に把握しておくことで、いざというときに落ち着いた判断ができるようにしておきましょう。
おしるしのあとに陣痛が来ない場合の経過
おしるしがあっても、その後しばらく陣痛が来ないことはめずらしくありません。
おしるしから1週間以上経過しても陣痛が始まらない方もいて、それ自体は異常ではないとされています。
赤ちゃんが骨盤内へ十分に下りていない場合や、子宮頸管の熟化(じゅくか:子宮口が柔らかくなること)がまだ進んでいない場合は、準備が整うまで陣痛が来ないことがあります。
陣痛以外に気になる症状がなければ、焦らず経過を見て問題ありません。
臨月の出血で注意が必要なケース
臨月の出血がすべておしるしとは限らないため、注意が必要な状態も知っておくことが重要です。
以下のような症状が現れた場合は、かかりつけの産院へ速やかに連絡しましょう。
- 月経2日目を超えるような多量の出血が続く
- サラサラした鮮血がだらだらと続く
- 出血とともに激しい腹痛・お腹の持続的な張りがある
- 突然の強い腹痛と板状硬(お腹が板のように硬くなる状態)がある
これらは常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり:胎盤が出産前にはがれてしまう状態)や前置胎盤(ぜんちたいばん:胎盤が子宮口をふさぐ位置にある状態)などが疑われる場合があります。
量が少量でも「いつもと違う」と感じた場合は、自己判断せず産院に相談してください。
受診や連絡が必要になるタイミング
陣痛や破水・出血の状態が変化したときの連絡タイミングは、あらかじめかかりつけの産院に確認しておきましょう。
一般的に、規則的な陣痛が10分間隔(経産婦は15分間隔)になった段階が、産院への連絡の目安とされています。
おしるしだけであれば急いで向かう必要はありませんが、破水した場合は感染予防のため入浴は避け、速やかに連絡して指示を仰いでください。
不安を感じたときは、時間を問わず産院へ相談することが大切です。
おしるしがあったあとの過ごし方と準備

おしるしが確認できたとしても、急いで病院へ向かう必要はなく、まずは自宅で落ち着いて過ごすのが基本です。
出産がいつ始まってもおかしくない段階に入っているため、心と環境を整えておきましょう。
ここでは、おしるし後の過ごし方と準備のポイントを紹介します。
慌てず落ち着いて過ごす
出血があると驚いてしまいがちですが、正常なおしるしであれば慌てる必要はありません。
陣痛や破水がなければすぐに病院へ向かう必要はなく、普段どおりの生活を続けながら様子を見るのが一般的です。
食事や睡眠をしっかりとって体力を温存しておくことも、その後の出産に向けて大切な備えのひとつだといえます。
出産は体力を要するため、リラックスして待てる環境を整えておくとよいでしょう。
入院や出産の準備を最終確認する
おしるしが確認できたら、入院の準備が整っているかを見直す機会にするのがおすすめです。
診察券や母子健康手帳、健康保険証などの書類、着替えや洗面用具といった入院グッズが揃っているか確認し、家族と荷物の置き場所を共有しておくと安心です。
足りないものがあれば早めに補充しておくことで、入院時に慌てないための備えとなります。
病院への連絡手順や移動手段もあわせて確認しておくと、さらなる安心につながります。
陣痛が来たときの連絡や移動手段を確認する
おしるしが来たら、陣痛が始まったときにすばやく行動できるよう、移動手段をあらかじめ確認しておくことが重要です。
自家用車やタクシーを利用する場合は、万が一破水した際にシートが濡れないよう、ビニールシートやバスタオルを準備しておくとよいでしょう。
家族への連絡タイミングや移動方法は、事前に取り決めておくといざというときにスムーズです。
特に出産予定の産院が遠い場合は、いつでも移動できるようにしておかなければいけません。
破水が疑われる場合は公共交通機関を避け、速やかに産院へ連絡することが求められます。
体調の変化を記録しておく
おしるしがあった後は、体調の変化を記録しておくと、産院への報告に役立ちます。以下のポイントを参考に、いつもと違う状態が続く場合は産院に連絡してください。
- お腹の張りの間隔と痛みの強さをメモしておく
- 胎動がいつもより少ないと感じたらすぐに連絡する
- 破水していると感じたら速やかに産院へ相談する
胎動は赤ちゃんが元気でいるかを知る大切なサインとされています。長時間動きが感じられない場合は、自己判断せず医療機関へ連絡することが重要です。
外出はすぐに帰宅できる範囲で行動する
おしるしがあってからも、散歩程度の外出であれば問題ありません。
ただし、遠出や長時間の外出は控え、何かあったときにすぐ帰宅できる範囲での行動が原則です。
外出先から産院に1時間以内でたどり着ける範囲を行動の目安にするとよいでしょう。
外出をする際は、母子健康手帳と産院の連絡先を携帯し、念の為ナプキンも持参しておくと安心です。
まとめ
おしるしとは、お産が近づくにつれて子宮口が開き始めたことを知らせる出血です。色や量、出方には個人差があり、おしるしがない場合も少なくありません。
出血を確認しても慌てる必要はなく、陣痛や破水がなければ自宅で普段どおりに過ごすことが大切です。
異常な出血のサインを事前に把握し、体調の変化を記録しながら準備を整えておくことが、落ち着いてお産を迎えるための備えになります。
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