ピルの種類一覧|効果や特徴、選び方のポイントを紹介

ピルは、含有するホルモンの量や種類によってさまざまなものがあります。
そのため、いざ始めるとなると「どれを選んだらいいの?」と迷う方もいるのではないでしょうか。
種類によって効果も異なるため、目的に合わせて適切なものを選択することが大切です。この記事では、ピルの種類やそれぞれの特徴、選び方のポイントを紹介します。
これからピルを始めようと考えている方や、今服用しているピルが合わずに悩んでいる方は参考にしてください。
ピルは含有するホルモンの割合で5種類に大別される

ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)などの女性ホルモンを主成分とする錠剤です。
含有するホルモンの量や割合によって、大きく5つに分類されます。
- 低用量ピル
- 超低用量ピル
- 中用量ピル
- アフターピル
- ミニピル
それぞれの種類について詳しく解説します。
低用量ピル
低用量ピルは、エストロゲンの含有量が0.05mg未満のピルです。避妊以外にも月経異常やPMSなど、さまざまなトラブルの改善に効果が期待できます。
21錠の実薬のみで構成された21錠タイプと、21錠の実薬と7錠の偽薬で構成された28錠タイプの2種類があります。
低用量ピルは飲み忘れが効果に大きく影響する可能性があるため、不安な場合は服薬管理がしやすい28錠タイプがおすすめです。
超低用量ピル
超低用量ピルは、エストロゲンの含有量が0.03mg未満のピルです。
含まれているエストロゲンの量が低用量ピルよりも少ないため、副作用や血栓症のリスクを抑えられます。
避妊を目的としている場合には不向きですが、月経痛の改善や婦人科疾患の治療などに関しては、低用量ピルと同様の働きが期待できます。
中用量ピル
中用量ピルは、エストロゲンの含有量が0.05mg以上のピルです。
月経困難症や機能性子宮出血(器質的疾患がないのに生じる不正出血)などの治療を目的として使用されます。
また、月経日の移動に用いられるケースも多く、大切なイベントと月経のスケジュールが被るのを回避できるメリットがありますが、ホルモンの作用が強いため、低用量ピルよりも副作用が出やすいです。
アフターピル
アフターピルは、プロゲステロンを主成分とするピルで、エストロゲンを含まないのが一般的です。
緊急避妊薬として服用されるケースが多く、性交後72時間以内であればある程度の避妊効果が得られるとされていますが、性交渉のあと早く服用するほど高い避妊効果が期待できます。
ウリプリスタール酢酸エステルを有効成分とするエラと呼ばれるアフターピルは、性交渉後5日(120時間)までの服用で避妊効果を得られるとされていますが、日本国内では承認されていません。
ミニピル
ミニピルはエストロゲンを含まず、プロゲステロンのみを主成分とするピルです。
高い避妊効果に加え月経のトラブル改善に効果が期待できるほか、血栓症のリスクがある方でも服用できる特徴があります。
基本的にアフターピルは緊急時の避妊を目的として使用しますが、ミニピルは低用量ピルのように日常的に服用して妊娠を予防します。
2026年現在、日本国内で承認されているミニピルは、ドロスピレノンと呼ばれるプロゲステロンを含むスリンダのみです。
低用量ピルの種類一覧

低用量ピルは、含まれているプロゲステロンの種類や割合によってさらに細かく分類されます。ここでは、それぞれの種類について詳しく解説します。
薬剤の種類
プロゲステロンの種類と、主な効果別の低用量ピルの分類は以下の通りです。
| 分類 | プロゲステロンの種類 | 薬剤名 | 主な効果 |
|---|---|---|---|
| 第1世代 | ノルエチステロン | ◎ルナベル ・フリウェル ・シンフェーズ | ・月経困難症や子宮内膜症の治療 ・月経痛や経血量の軽減 ・ニキビや肌荒れの改善 |
| 第2世代 | レボノルゲストレル | ・アンジュ ・トリキュラー ・ラベルフィーユ ・ジェミーナ | ・不正出血の改善 ・月経周期の安定 |
| 第3世代 | デソゲストレル | ・マーベロン ・ファボアール | ・ニキビや多毛症の改善 |
| 第4世代 | ドロスピレノン | ◎ヤーズ ◎ヤーズフレックス ◎ドロエチ | ・月経困難症や子宮内膜症の治療 ・月経痛やPMSの軽減 |
※◎は超低用量ピル(ルナベルは低用量・超低用量どちらもあり)
低用量ピルは、配合されているプロゲステロンの種類や効果、開発された順番などによって4つに分類されます。
第1世代は初期に承認されたタイプの低用量ピルで、第2〜第4世代と比較すると取り扱いは限定的です。
避妊を目的として処方される低用量ピルの多くは第2世代と第3世代で、その他の目的の場合は個人差によって適した種類が異なります。
医師の診断を受けたうえで、自分に合った種類を選択することが大切です。
相性(そうせい)
低用量ピルは、実薬に含まれているホルモンの割合によって1相性と3相性に分類されます。
基本的には、21日の服用と7日間の休薬期間の計28日間で1周期としますが、1相性と3相性ではこの21日間で服用する錠剤に含まれるプロゲステロンの割合が異なります。
1相性
1相性は、1周期を通してエストロゲンの量が一定の低用量ピルです。主に以下の種類が1相性に含まれます。
- ルナベル
- フリウェル
- ジェミーナ
- マーベロン
- ファボアール
- ヤーズ
21錠タイプの1相性の錠剤に含まれているホルモンの量はすべて同じなため、飲む順番を間違えても、飲むタイミングと数、飲み忘れに注意すれば問題ありません。
ただし、飲み始めは副作用が強く出る場合があるため注意が必要です。
3相性
3相性は、摂取するプロゲステロンの量が3段階に分けて変化するように1シートのなかで調整されているタイプの低用量ピルです。
主に以下の種類が3相性に分類されます。
- シンフェーズ
- アンジュ
- トリキュラー
- ラベルフィーユ
エストロゲンの量は1シートを通して変わらず、プロゲステロンの含有量のみが異なります。
ホルモンバランスが体内で自然な状態になるように工夫されており、不正出血や副作用が起こりにくいのが特徴です。
摂取するエストロゲンの量が段階的に変化するように調整されているため、飲む順番を間違えると十分な効果が得られない可能性があります。
目的
低用量ピルは、目的によっても2つに分類されます。
- 避妊目的(OC)
- 月経困難症や子宮内膜症の治療(LEP)
OCは避妊を目的とした低用量ピルで、原則的に全額自己負担です。
飲み忘れず、規則正しく服用することで、月経周期の安定化や肌荒れの改善のほか、高い避妊効果が期待できます。
LEPは、月経困難症や子宮内膜症などの治療に必要だと判断された場合に保険が適用され、3割負担で処方が可能な低用量ピルです。
ルナベル、フリウェル、ジェミーナ、ヤーズなどの種類が含まれます。
5種類のピルの特徴を比較

5種類のピルの違いを以下にまとめました。
| 主な効果 | 副作用 | 服用方法 | |
|---|---|---|---|
| 低用量ピル | ・避妊 ・月経困難症 ・月経不順 ・子宮内膜症 ・PMS | ・吐き気 ・嘔吐 ・頭痛 ・下腹部痛 ・むくみ ・倦怠感 ・眠気 ・胸の張り ・不正出血 | 1日1錠(決まった時間)服用を21日間と7日間の休薬期間で1周期 |
| 超低用量ピル | ・月経困難症 ・子宮内膜症 ・PMS | ・頭痛 ・不正出血 | |
| 中用量ピル | ・月経移動 ・避妊 | ・吐き気 ・嘔吐 ・湿疹 ・かゆみ ・便秘 ・下痢 ・胸の張り ・眠気 ・不正出血 | 【生理を早める場合】 早めたい生理の1つ前の生理初日から5日間、決まった時間に1錠ずつ服用 【生理を遅らせる場合】 遅らせたい生理予定日の5日前から、生理を避けたいあいだ毎日1錠ずつ服用 |
| アフターピル | ・避妊(緊急) | ・吐き気 ・倦怠感 ・眠気 ・胃腸障害 ・不正出血 | 性交渉後なるべく早く(最低でも72時間以内)に1錠服用 |
| ミニピル | ・避妊 | ・頭痛 ・胸の張り ・不正出血 | 1シート28錠を1日1錠決まった時間に服用(スリンダの場合) |
それぞれのピルはホルモンの含有量が異なるため、効果や副作用の出方にも差があります。
また、ピルは種類ごとに飲み方が異なり、適切に服用しないと十分な効果を得られない可能性があります。
ピルを使用する際は、目的に合わせて選択したうえで、種類ごとの服用方法を守ることが大切です。
目的別でみるピルの選び方

ピルにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴も異なるため、そのなかから自分に合ったものを選択する必要があります。
ここからは、以下の目的や悩みに合わせたピルの選び方を紹介します。
- 避妊したい
- 月経痛が辛い
- PMSを改善したい
- 月経周期をコントロールしたい
- 肌荒れやニキビを抑えたい
自分に合ったピルを選ぶ参考にしてください。
避妊したい
避妊効果を持続させたい場合は、以下の種類の低用量ピルやミニピルがおすすめです。
- ルナベル
- アンジュ
- トリキュラー
- マーベロン
- ミニピル
これらのピルは、正しく服用することで高い避妊効果が期待できます。
ただし、飲み忘れがある場合は避妊効果が低下する恐れがあるため、必要に応じてアフターピルを使用する必要があります。
血栓症のリスクが高く、低用量ピルの服用が難しい方は、エストロゲンを含まないミニピルをご検討ください。
また、避妊目的で低用量ピルを服用する際、飲み忘れが心配な場合は28日タイプを選択するのがおすすめです。
休薬期間も錠剤(有効成分は含まれていません)を飲み続けるため、服薬管理がしやすい特徴があります。
月経痛がつらい
つらい月経痛でお悩みの方には、以下の種類のピルがおすすめです。
- ルナベル
- フリウェル
- ジェミーナ
- ヤーズ
つらい月経痛は月経困難症や子宮内膜症の可能性があるため、子宮内膜の増殖を抑制する作用があるピルを選択しましょう。
これらのピルは月経痛の改善に効果が期待できるほか、ルナベルやフリウェルは副作用の軽減にも有効とされています。
月経困難症は生活に支障をきたすほどの痛みを伴うため、心身のストレスをケアするためにもピルがおすすめです。
PMSを改善したい
PMSの改善には、以下の種類のピルがおすすめです。
- ルナベル
- フリウェル
- ジェミーナ
- トリキュラー
- マーベロン
- ファボアール
- ヤーズ
- ヤーズフレックス
低用量ピルは、全般的にPMSの改善に効果が期待できますが、プロゲステロンはPMSの原因となるため、プロゲステロンの濃度が一定の1相性を選択することをおすすめします。
また、PMSの改善と避妊の両方の目的がある場合は、トリキュラーやマーベロンなどの低用量ピルが適しています。
PMSの症状には個人差が大きく影響するため、医師と相談のうえでより自分に合ったピルを選択することが大切です。
月経周期をコントロールしたい
月経を早めたい・遅らせたい方や、月経不順を改善したい方には、以下の種類のピルがおすすめです。
- 中用量ピル
- アンジュ
- トリキュラー
- ラベルフィーユ
- ジェミーナ
- マーベロン
不規則な月経周期にお悩みの場合は、これらの低用量ピルを適切に服用することで規則正しい月経のサイクルを整える効果が期待できます。
また、月経をイベントと被らないようにしたいケースでは、中用量ピルを用いて一時的に月経を早めたり遅らせたりできます。
さらに、1相性の低用量ピルであるジェミーナは、連続服用によって最長で3ヶ月間月経を止めることも可能です。
肌荒れやニキビを抑えたい
肌荒れやニキビを抑えたい場合は、以下の種類のピルがおすすめです。
- マーベロン
- ファボアール
- ヤーズ
これらのピルには、男性ホルモンの働きを抑制して肌荒れやニキビなどのトラブルを改善する効果が期待できます。
特に、第2世代の低用量ピルは肌荒れのリスクがあるため、第1世代や第3世代を選択するのがおすすめです。
また、1相性のピルはホルモンの含有量が1シートを通して一定であるため、肌トラブルが気になる方でピルが初めての方にも服用を続けやすい特徴があります。
ピルの変更を検討したほうがいいタイミング

ピルを飲み始めてからしばらくは、身体がホルモンの変化に慣れるまで副作用や心身の不調が出やすいとされているため、様子をみる期間が必要です。
ただし、3ヶ月以上服用を継続しても副作用が改善されない場合や、日常生活に支障が出るほどの症状がみられる場合は、ピルの種類の変更が必要になる可能性があります。
ピルの変更に適したタイミングは、1周期分のシートを服用し終えた後で、途中で服用をやめたり急に種類を変えたりすると、ホルモンバランスの乱れによって副作用が起こりやすくなります。
服用をやめてから2〜3日程度で避妊効果が失われる可能性もあるため、自己判断での中止や種類の変更は避け、必ず医師と相談のうえで決定することが大切です。
まとめ
ピルは、避妊や月経異常、PMSなど、改善したい症状や目的に合わせて選択しましょう。
それぞれの特徴について知ることも大切ですが、種類が多すぎて選び方が分からない場合は、医師と相談しながら自分に合ったものを選ぶことが大切です。
新中野女性クリニックでは、患者様がピルを安心して使用できるよう、専門家の立場からの丁寧な診療と処方を行っております。
ピルによって月経中の不快症状を軽減するだけでなく、定期的な検査も合わせて行うことで心身の健康維持をサポートします。
初めてピルを飲む方はもちろん、今のピルが合っていないとお悩みの方もお気軽にご相談ください。



