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ピル服用中の不正出血はなぜ起こる?原因や対処法、受診の目安などを紹介

お腹を押さえている女性

ピルを服用していると、さまざまな原因によって不正出血が起こる可能性があります。

月経周期を整えるはずのピルで急に出血が起こり、不安になったことがある方もいるのではないでしょうか。

不正出血の原因には、ホルモンバランスの乱れのほかにも子宮や卵巣の疾患などが考えられるため、症状が続く場合は、放置せず早めに婦人科を受診することが大切です。

この記事では、ピルで不正出血が起こる原因や対処法、受診の目安などを紹介します。

ピルの服用中に不正出血が起こる原因

お腹を押さえている女性と子宮イメージのイラスト

ピルの服用中に不正出血が起こる原因には、主に以下の5つが考えられます。

  • 飲み方が適切ではなかった
  • ピルがしっかり吸収されなかった
  • 子宮や卵巣の疾患がある
  • 性感染症がある
  • 妊娠している

それぞれの原因について詳しく解説します。

飲み方が適切ではなかった

ピルは、正しい方法で規則正しく服用しないと効果が薄れ、不正出血につながる可能性があります。

ピルは、毎日同じ時間に決められた順番通りに服用する必要があり、飲み忘れや飲み間違いによってホルモンの量が変化すると、子宮内膜が不安定になり剥がれやすくなります。

1日だけの飲み忘れでも症状が現れる可能性があるため、不正出血がみられた場合は飲み忘れがないか確認しましょう。

また、ピルの飲み忘れは、気付いたタイミングによっては1日2錠の服用が必要になる場合もありますが、3錠飲んだ場合は副作用が強く出る可能性があるため注意が必要です。

ピルがしっかり吸収されなかった

ピルを規則正しく服用しているにも関わらず不正出血が起こった場合、なんらかの理由でピルが十分に吸収されなかった可能性があります。

例えば、ピルを服用したあとに激しい下痢や嘔吐をしたことで、ピルの有効成分が吸収される前に体外に排出され、効き目が得られなかったケースが考えられます。

また、他の薬との飲み合わせもピルの効果に影響する要因です。

一部の抗生物質や抗てんかん薬、精神刺激薬やセントジョーンズワート(ヨーロッパ原産のハーブ)を配合したサプリメントなどは、ピルの効果を低下させるリスクがあります。

反対に、アセトアミノフェンを有効成分とした解熱鎮痛薬は、ピルの効果を増強して副作用を引き起こしやすくする恐れがあります。

ピルの他に常用している薬やサプリメントがある場合は、服用前に医師に相談しましょう。

子宮や卵巣の疾患がある

ピルの服用中に不正出血がみられる場合は、以下のような子宮や卵巣の疾患が隠れている可能性があります。

【子宮の疾患】

  • 子宮頸がん
  • 子宮体がん
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫

【卵巣の疾患】

  • 卵巣嚢腫
  • 卵巣機能不全
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

これらの疾患による不正出血は、ピルの服用とは無関係に起こる可能性があります。

もともと不正出血があったが詳しい検査を受けたことがない方や、ピルの服用を始めてから症状がみられるようになった方は注意が必要です。

不正出血は、これらの疾患の初期症状である可能性もあるため、放置せず早めに受診することをおすすめします。

性感染症がある

ピルを適切に服用し、子宮や卵巣に異常がないにも関わらず不正出血がみられる場合は、性感染症を引き起こしている可能性も考えられます。

不正出血が起こるリスクがある性感染症の一例は、以下の通りです。

  • 性器クラミジア感染症
  • 淋菌感染症
  • 膣トリコモナス症

性感染症が進行すると、子宮頸管や膣などに炎症を引き起こして組織が弱くなり、子宮内膜以外からの出血を引き起こしやすくなります。

ピルに性感染症を予防する効果はないため、服用中に性感染症を発症する可能性はゼロではありません。

不正出血のほかにも、おりものの異常やにおいの変化、性交渉時の痛みなど、気になる症状がある場合は必ず婦人科を受診しましょう。

心身のストレス

ピルを服用していても、心身にストレスがかかる状況では不正出血が起こる恐れがあります。

大きな精神的ストレスを感じているケースに加え、生活習慣の乱れや睡眠不足、体調不良はホルモンバランスに影響を与える原因になります。

これらの場合に引き起こされる不正出血は、ストレスの発散や規則正しい生活を心掛けることで改善を目指すことができます。

ピル服用中に起こる不正出血の種類

下腹部の前で花を持っている女性

ピルの服用中に起こる不正出血には、主に以下の3種類があります。

  • 消退出血
  • 破綻出血
  • 着床出血

それぞれの特徴や見分け方について解説します。

消退出血

消退出血とは、女性ホルモンの減少によって子宮内膜が維持できなくなり、剥がれることで起こる出血です。

ピルの服用中はホルモンを継続的に体内に補っていますが、休薬期間になると体内のホルモンが急激に減少するため、服用をやめてから2日前後で消退出血が起こります。

消退出血は月経と比較すると出血量が少なく、短期間で終了するのが特徴です。

休薬期間中に月経と消退出血の両方が起こることもあるため、月経が2回きたと勘違いするケースも少なくありません。

破綻出血

破綻出血は、ホルモンバランスの乱れによって子宮内膜が不安定になることで起こる不規則な出血です。

排卵が起こらずに子宮内膜が厚くなったり、ストレスやダイエット、更年期などが原因でホルモンバランスが不安定になったりしている場合に起こりやすいです。

ピルの休薬期間中や服用をやめた際に現れるため、ある程度予測が可能な出血ですが、破綻出血は月経周期に関わらず突然生じたり、ダラダラと続いたりするのが特徴です。

着床出血

着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に、血管を傷つけることで生じる出血です。

妊娠すると子宮内膜の離脱が起こらないため、基本的には出血しませんが、着床出血によって少量の出血がみられるケースもあります。

着床出血は消退出血との区別が難しいですが、妊娠の有無に関わるため、妊娠の可能性が少しでもある場合は、必ず婦人科を受診して詳しい検査を受けてください。

ピルの飲み始めは不正出血が起こりやすい?

お腹の前で困った顔を見せている女性

ピルを飲み始めた最初の1〜3ヶ月は、不正出血が起こりやすいとされています。これは、ピルによって取り入れられたホルモンに身体が慣れるまで時間がかかるためです。

不正出血はピルの副作用のなかでも比較的多く、特に問題がなければ3ヶ月以内に落ち着くケースが多いため、この期間は様子をみながら服用を継続しても問題ありません。

初めてピルを始めた場合だけでなく、ピルの種類を変更したタイミングでも起こりやすいです。

ただし、血液の量が少なくても、ピルの飲み忘れが続いていたり出血が長引いていたりするケースでは、念のため一度婦人科を受診しましょう。

ピルの服用中に不正出血が起こった場合の対処法

スマホで生理周期を見ている女性

ピルの服用中に不正出血が起こった場合の対処法は、主に以下の3つです。

  • 3ヶ月は様子をみる
  • ピルの種類を変更する
  • 医療機関で検査を受ける

それぞれの対処法について詳しく解説します。

3ヶ月は様子をみる

ピルを飲み始めてすぐ、または種類を変更してすぐのケースでは、状況次第ではありますが3ヶ月は様子をみながら服用を続けましょう。

服用方法を誤ってしまうと、原因が副作用なのか器質的な異常によるものなのかの区別が難しくなってしまうため、継続する際は必ず服用方法を守ってください。

ただし、出血量が多い場合は貧血を引き起こす恐れがあるため、放置せず早めに婦人科の受診を検討しましょう。

ピルの種類を変更する

服用を継続しても不正出血が治らない場合は、ピルの種類を変更することで改善できる可能性があります。

ピルにはさまざまな種類があり、それぞれホルモンバランスに与える影響の大きさも異なります。

個人差によるピルとの相性が原因の場合は、自分に合った種類を選択することで不正出血の改善が見込めるケースもあるでしょう。

ただし、自己判断でピルの種類は変えられないため、変更を希望する場合は一度婦人科で相談してください。

医療機関で検査を受ける

不正出血が改善されない場合は、なんらかの疾患が隠れている可能性も考えられるため、婦人科を受診しましょう。

特に、不正出血以外にも症状がある場合は、疾患が原因の可能性も十分に考えられます。

また、ピルはオンラインで処方できるケースもあるため、詳しい検査をしないまま服用している人もいるでしょう。

一度も詳しい検査を受けたことがない場合は、正しい原因と対処法を知るためにも念のため調べてもらうことをおすすめします。

ピル服用中の不正出血を予防するためには

下腹部の前で指でバツを作る女性

ピル服用中の不正出血は、以下の対策によって予防が目指せます。

  • 飲み忘れの対策をする
  • 性感染症を予防する
  • 定期検診を受ける

それぞれの予防法について詳しく解説します。

飲み忘れの対策をする

飲み忘れは不正出血の原因になるだけでなく、避妊効果にも影響する可能性があるため、飲み忘れないように対策することが大切です。

具体的には、以下の方法があります。

  • スマートフォンのアラームを設定する
  • スマートフォンのホーム画面にウィジェットを配置する
  • ピル専用の管理アプリを使用する
  • 必ず目に入る場所に置く
  • 生活のルーティンにセットで取り入れる

アラームやリマインダーを利用する場合は、実際にピルを服用する時間と、飲んだ確認をするタイミングの2回以上設定するのがおすすめです。

ピル専用の管理アプリは、服用時間の通知に加え、服薬の記録や体調管理などにも使用できます。

また、人によって朝・昼・夜でピルを飲む時間が異なるため、服用時間に目につく場所に置いておくのも有効です。

服用を継続するタイプのピルは、毎日規則正しい時間に飲まないとホルモンバランスが乱れやすく、不正出血をはじめとした副作用が出やすいため、注意しましょう。

性感染症を予防する

性感染症による出血を予防するためには、ピル以外の予防法を検討する必要があります。

ピルで十分な避妊効果が得られている場合でも、性感染症の対策にはコンドームを使用しましょう。

オーラルセックスの際も、粘膜や体液の接触を避けることで性感染症のリスクを軽減できます。また、一部の性感染症の予防には、ワクチンの接種が有効です。

出血の原因が明確でない場合は、性感染症の可能性が否定できないため、感染拡大防止のためにも性交渉をできるだけ控えることをおすすめします。

定期検診を受ける

ピルの服用中でも、定期的な検査を受けることが大切です。

ピルの服用前に検査を受けて異常がなかった場合でも、時間が経ってから疾患が発覚する可能性があるため、状況に応じて定期検診を受けましょう。

不正出血に関わらず、ピルの服用によって子宮頸がんや乳がん、血栓症のリスクがわずかながら上昇するとされています。

ピルと定期検診の両立は、異常がない状態で服用を継続したり、疾患を早期発見したりするために必要です。

ピル服用中の不正出血で注意すべき症状

お腹を押さえてつらそうにしている女性

ここからは、問題ない不正出血の特徴と、婦人科を受診した方がいいケースを紹介します

問題ないケース

以下の特徴がある不正出血は、ピルの副作用である可能性が高いため問題ないケースが多いです。

  • 出血が少量(おりものシートで足りる程度)
  • 血の色が茶色っぽい
  • 飲み始めてから1~3ヶ月以内の出血
  • 短期間で出血が終わる
  • 他に気になる症状がない

ピルを飲み始めて1〜3ヶ月以内にみられる、短期間の茶色っぽい少量の出血は、ホルモンバランスの乱れによる不正出血であると考えられます。

これらの場合、3ヶ月までは様子をみても問題ないケースが多いですが、心配な場合は婦人科を受診することをおすすめします。

婦人科を受診した方がいいケース

以下のケースでは、放置せず可能なかぎり婦人科を受診しましょう。

  • 少量でも3ヶ月以上出血が続く
  • 不正出血に加えて強い腹痛・めまい・発熱などを伴う
  • 大量の鮮血が排出される(ナプキンでは対処できない)
  • 服薬期間中に月経と同じくらいの出血がある
  • ピルの飲み忘れと避妊なしの性交渉のタイミングが被った

不正出血が長く続く、強い腹痛を伴う、出血量が多いなどのケースでは、深刻な疾患が隠れている可能性があるため、放置せず必ず婦人科を受診してください。

またピルの服用中は、正常であれば休薬期間中に規則正しく月経がきます。

21錠の服薬期間中に月経と同じくらいの出血がみられた場合は、なんらかの異常が考えられるため、注意が必要です。

さらに、ピルの飲み忘れと妊娠の可能性が高い性交渉のタイミングが重なった場合は、避妊が失敗したことによる着床出血が起こる可能性があります。

飲み忘れに早く気が付いて適切に対処すれば避妊効果が保たれるケースもありますが、時間が経過するほど妊娠のリスクが高まるため、少量の出血でも油断せずに確認することが大切です。

まとめ

ピルは月経周期を整えるために服用する方もいらっしゃいますが、副作用で不正出血が起こるケースがあります。

ただし、身体がピルに慣れるまでの症状に限らず、妊娠や疾患が原因である可能性も考えられるため、状況に応じて婦人科の受診を検討しましょう。

特に、出血が3ヶ月以上続く場合や、他の気になる副作用がある場合などは、自己判断で放置しないことが大切です。

新中野女性クリニックでは、産婦人科としての専門的な立場から、女性のQOL向上を目指すためのピルの活用をサポートいたします。

メリットだけでなく、副作用のリスクも踏まえたうえで患者様が安心してピルを服用できるよう、丁寧な診察と処方を行います。

初めての方も、ぜひお気軽にご相談ください。

ハートの形をした錠剤
≪前回の記事はこちら ピルの種類一覧|効果や特徴、選び方のポイントを紹介
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