おりものに血が混じる原因は?不正出血の種類や検査・治療を解説

おりものに血が混じると、生理の前触れか、不正出血なのかわからず、不安になる方は少なくありません。
月経以外の時期に見られる出血には、一時的なものもありますが、感染症や病気、妊娠に関する出血の可能性もあります。
この記事では、おりものに血が混じったときにできるセルフチェックや、不正出血の種類、婦人科での検査や治療について詳しく解説します。
少量の血液が混じって婦人科へ行くべきか迷っている方、不正出血の理由を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
おりものに血が混じったらどうする?

血が混じったおりものが出たら、量や色だけではなく、出た時期やどれくらいの期間続いているかも合わせて確認することが大切です。
ここでは、おりもののセルフチェック項目や受診の目安について解説します。
おりものに血が混じったときのセルフチェック
血が混じったおりものは、色や量だけでは判断できません。
以下の表で、当てはまる項目を確認してみましょう。
| 色 | ピンク色 | 少量の血液が混じっている状態で、排卵期や生理前後によく見られる |
| 茶色っぽい | 古い血液が混じっていて、生理の始まりや終わりかけに多い | |
| 黒っぽい | 茶色より時間が経った血液が混じっている状態で、生理時期と合わず続くなら確認が必要 | |
| 赤に近い | 出血量が増えている可能性があるため、生理以外の時期なら受診を検討 | |
| 量 | 下着に少し付く程度おりものに少し混じる | 排卵期や生理前後の少量出血として見られることがある |
| 量が増えている生理のように出る | おりものではなく出血として考え、婦人科へ相談する | |
| 時期 | 生理前後 | 経血が混じっている可能性 |
| 排卵期 | 排卵期出血の可能性 | |
| 性交後 | 子宮頸管の炎症やポリープなどの病気も考えられる | |
| 妊娠中・妊娠の可能性がある時期 | 妊娠関連の出血も考え、医師へ相談 | |
| 続き方 | 1回だけ1~2回で治まる | 一時的な変化や周期に伴う少量出血のことが多い |
| 数日続く繰り返す | 不正出血の可能性 | |
| ほかの症状 | 痛みかゆみ強いにおい発熱など | 感染症や炎症などの可能性があるため、早めの受診を検討 |
少量で一時的な変化なのか、月経周期と関係なく続く出血なのかを見極めることが重要です。
特に、時期に心当たりがない、繰り返す、痛みやにおいを伴う出血は、病気の可能性を考えて受診を検討しましょう。
様子を見てもよいケース
おりものに血が混じっていても様子を見てもよいのは、少量・一時的・月経周期と関係しているケースです。
例えば、排卵の時期に薄いピンク色のおりものが少しだけ混じってすぐに治まる、生理の前後に茶色っぽいおりものが見られるといった場合です。
また、痛みや発熱、強いにおいがなく、毎回同じような時期に短期間だけ見られる場合も、月経周期に伴う変化である可能性があります。
ただし、様子を見るときでも、出た日や色、量、期間などを記録しておきましょう。
次の周期で比較し、同じように出るのか、回数や量が増えていないかを確認して、改善が見られない場合は婦人科を受診しましょう。
婦人科を受診すべきケース
婦人科を受診すべきなのは、生理ではない時期に出血がある、何日も続く・繰り返す、量が増えるといった場合です。
特に、性交後に出血したり、赤い出血に近い、ほかの症状を伴うケースでは、病気の可能性を含めて確認が必要です。
生理前後とは言えない時期に血が混じる、普段と違う状態が続くときは、婦人科の受診を検討しましょう。
また、妊娠中や妊娠の可能性がある時期は、少量でも妊娠に関連する出血や異常が隠れていることがあるため、早めに医師に相談してください。
不正出血にはどんな種類がある?

不正出血は、原因によっていくつかの種類に分けられます。
ここでは、血が混じるおりものの原因には、どのような種類の不正出血があるのかについて解説します。
機能性出血
機能性出血は、子宮に明らかな形の異常がないのに起こる出血で、排卵や女性ホルモンの働きの乱れで起こります。
子宮内膜はホルモンの変化に合わせて厚くなったり剥がれたりしますが、調整がうまくいかないと、月経ではない時期に出血します。
- 排卵期出血
- 無排卵出血
- 思春期や更年期のホルモン変動による出血
- ホルモンバランスの乱れによる出血
- 薬の影響による出血
ストレスや急な体重変化、過度な運動、睡眠不足などをきっかけに起こることもあります。
また、ホルモン治療や低用量ピル服用の影響によりホルモン環境が変わり、少量出血が起こるケースもあります。
服用開始直後や種類の変更時、飲み忘れ、不規則な服用などには注意が必要です。
少量のピンク色のおりものや、茶色っぽい出血が続く場合は、一時的な変化ではなく、機能性出血の可能性を考えておきましょう。
器質性出血
器質性出血は、子宮や子宮頸管の形の異常や病変があり、その影響で起こる出血です。
子宮内膜や子宮頸管の一部がもろくなっていたり、病変から出血しやすくなっていたりするため、月経ではない時期に血が混じることがあります。
おりものに少量の血が混じることで気づくこともあれば、性交後の出血や、茶色っぽいおりもので気づくこともあります。
- 子宮頸管ポリープ
- 子宮内膜ポリープ
- 子宮筋腫
- 子宮腺筋症
- 子宮内膜増殖症
- 子宮がん
器質性出血は、生理と関係ない時期に繰り返す、水っぽいおりものに血が混じるなどの変化が見られることもあります。
量が少なくても、同じような出血が続く場合は、子宮や子宮頸管の病変かもしれません。
炎症や感染による出血
子宮頸管や膣に炎症があると、粘膜が刺激に弱くなって傷つきやすくなり、少量の出血につながることがあります。
性交後に出血する、においや痛みを伴うといった場合は、炎症や感染の可能性を考える必要があります。
- 子宮頸管炎
- 膣炎
- クラミジア感染症
- 淋菌感染症
- トリコモナス膣炎
血が混じるほかに、おりものの色や性状、においの変化、下腹部痛、しみる感じなどが重なるケースもあります。
量が少なくても、繰り返す場合や生理と関係ない時期に続く場合は、炎症や感染が隠れていないか婦人科で確認しましょう。
妊娠に関連する出血
妊娠中や妊娠の可能性がある時期の出血は、不正出血のなかでも考え方が異なります。
おりものに血が混じる程度でも、出血が起きた時期や続き方によっては、以下のような要因が隠れているかもしれません。
- 着床出血
- 絨毛膜下血腫
- 切迫流産
- 異所性妊娠
- 胞状奇胎
少量の血が混じったピンク色のおりものや、赤い出血が出るケースもあります。
下腹部痛の有無や出血が続く日数、妊娠検査薬の結果、妊娠週数なども合わせて確認することが大切です。
妊娠に関連する出血は、少しの変化でも自己判断せず、婦人科を受診してください。
婦人科で行う診察・検査

おりものに血が混じるときは、出血の原因を探るために、症状や時期に応じた診察・検査を行います。
月経周期によるものなのか、病気や妊娠に関連するものなのかによって、実施する内容は異なります。
問診で確認すること
問診では、血が混じったおりものがどのような出血なのかを確認し、原因をある程度絞り込んだうえで、必要な検査を判断します。
生理前後や排卵期の変化なのか、不正出血を詳しく調べた方がよいのかを知るために、以下のような情報をまとめておくと役立ちます。
- 血が混じったおりものに気づいたのはいつか
- 続いている期間
- 色・量の変化
- 時期に心当たりがあるか(生理前後・排卵期・性交後など)
- 下腹部痛、におい、かゆみ、発熱などの症状があるか
- 妊娠の可能性
- 低用量ピルやホルモン剤、抗凝固薬、抗血小板薬などの服薬歴
- 直近の月経開始日・普段の月経周期
これらの情報をもとに、炎症や感染の可能性を含めて医師が診断します。
事前にメモしておくと、必要な情報を伝えやすくなるでしょう。
内診でわかること
内診では、血がどこから出ているのかを、器具や触診により確認します。
おりものに血が混じるときでも、膣からなのか、子宮頸管からなのかで原因が異なるためです。
炎症がないか、出血しやすい部分がないか、ポリープのような出血の原因になる病変がないかを見ていきます。
見た目の変化だけでは区別しにくい出血でも、内診により原因を判断する手がかりになります。
超音波検査
超音波検査は、子宮や卵巣に異常がないかを確かめるための検査です。
おりものに血が混じる原因は、子宮内膜や子宮筋層、卵巣の状態が関係していることもあるため、確認が必要です。
内診では見えない部分を画像で見ることで、器質性出血なのかどうかを診断します。
子宮内膜の厚さやポリープ、筋腫の有無、妊娠しているかなどが確認可能です。
明らかな異常が見つからなければ、機能性出血や炎症などの原因も考えられます。
血液検査
血液検査では、ホルモンの異常が出血に関わっていないかを確認します。
おりものに血が混じる原因が、排卵や月経周期の乱れにある場合は、ホルモンの状態が影響している可能性があるためです。
血液検査だけで原因を判別できるわけではありませんが、ホルモンの乱れが関わっているか、出血が身体に負担をかけていないかがわかります。
甲状腺刺激ホルモン(TSH)、プロラクチン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール(エストロゲン)、プロゲステロンなどを見ます。
また、出血の影響で貧血が起こっていないかもあわせて確認されます。
おりもの検査
おりもの検査は、膣の中の分泌物の状態を調べて、膣内の環境変化の有無を確認する検査です。
おりものの見た目だけではわからない変化を、分泌物から読み取れます。
細菌バランスが乱れていないか、真菌が増えていないか、酸性の状態が保たれているかなどの可能性を考えるときに行う検査です。
性感染症検査
性感染症検査は、クラミジア感染症や淋菌感染症など、子宮頸管の炎症や出血の原因になる性感染症がないかを確認します。
性交後に出血する、生理と関係ない時期に繰り返す、下腹部痛やかゆみなどを伴うといった場合は、子宮頸管の感染が疑われます。
子宮頸管から検体を採取することが多く、出血の原因となる病原体の有無を確認する検査です。
子宮がん検査
子宮がん検査は、子宮頸がんや子宮体がんが疑われるときに行います。
特に、年齢や症状の出方によっては、がんの有無を確認することが重要です。
子宮頸部や子宮内膜の組織を採取し、詳しく調べる検査です。
少量の出血でも、性交後の出血があったり、茶色や赤いおりものが長く続いたりする場合は、子宮がん検査が検討されることがあります。
おりものに血が混じるときの主な治療

血が混じるおりものでは、原因により治療方法が異なります。
排卵やホルモンの乱れによるものか、子宮の病気によるものか、感染によるものかで対応が違い、原因に合わせた治療が必要です。
機能性出血の場合
機能性出血では、ホルモンの乱れや排卵障害に合わせて治療を選択するのが一般的です。
出血量が少なく、自然に治まる可能性がある場合は、経過を見ることもあります。
しかし、月経不順や不正出血を繰り返すときは、周期を安定させる治療や、出血量を減らす治療を行います。
低用量ピルや黄体ホルモン製剤は、子宮内膜の不安定さを整え、月経ではない時期の出血を抑える目的で使用されることが多いです。
出血量が多い場合は、トラネキサム酸で出血を減らす治療が行われることもあります。
機能性出血の治療はひとつではなく、症状や原因に合わせて適切な薬を選ぶことが大切です。
器質性出血の場合
器質性出血は原因が病変にあり、ホルモンを整えるだけでは改善しないことがあります。
そのため、子宮や子宮頸管にある病変そのものに対する治療を行うことが重要です。
例えば、子宮頸管ポリープや子宮内膜ポリープなら切除、子宮筋腫や子宮腺筋症ならば薬物療法や手術が検討されます。
子宮内膜増殖症やがんが疑われる場合は、精密検査の結果に応じて、専門的な治療が必要です。
炎症や感染が原因の場合
炎症や感染が原因の場合は、原因に合わせた薬で治療します。
クラミジア感染症や淋菌感染症では抗菌薬、トリコモナス膣炎では抗原虫薬を使います。
出血そのものより、炎症が続いて粘膜が傷つきやすくなっているのが問題であることも多いため、感染や炎症を抑える治療が中心です。
なお、性感染症が見つかったときは、本人だけでなく、パートナーとともに治療を行う可能性もあります。
妊娠に関連する出血の場合
妊娠に関連する出血は、少量でも婦人科で確認することが大切です。
妊娠していないときの不正出血とは異なり、緊急性が高いケースもあるためです。
治療や対応は、出血量だけでなく、ほかの症状や超音波検査の結果などが考慮されます。
経過観察の場合もありますが、早めの処置や管理が必要になることも考えられます。
妊娠が継続できる状態か、母体に危険がないかなどを確認しながら治療方針を検討するため、早めに婦人科を受診してください。
まとめ
おりものに血が混じるときは、色や量、出た時期、続いている日数、ほかの症状を伴うかにより、不正出血かどうかを確認します。
生理と関係ない時期や繰り返す出血、痛みやにおいを伴う場合は、病気が隠れているかもしれません。
出血の原因によって必要な検査や治療が異なるため、症状を整理し、婦人科へ相談しましょう。
新中野女性クリニックは、妊娠に関連した出血だけでなく、月経不順や感染症などによる出血にも対応しております。
日本産科婦人科学会専門医である院長を中心に、不正出血の原因を調べる診察や検査を行い、適切な治療をご提案します。
おりものに血が混じっていて不安を感じている方、病気の可能性を知りたい方は、新中野女性クリニックへご相談ください。



